海外向け制御盤設計・製作を進める際には、
輸出先の国の規格を十分に理解する必要があります。

●海外向け制御盤製作の留意点

海外向け制御盤設計・製作を進める際には、輸出先の国の規格を十分に理解する必要があります。制御盤の規格には、「国際規格」「地域規格」「国家規格」「団体規格」の4種類があります。国内外の規格を比較してみましょう。

〈制御盤制作に関わる国内外の規格〉

国際規格
地域規格
国家規格
団体規格
日本
IEC(国際電気標準会議)
ISO(国際標準化機構)
ITU(国際電気通信連合)
JIS規格
JEM(日本電機工業会)
JEC(日本電気学会)
JSIA(日本配電制御システム工業会)
欧州
EN規格(EU加盟国)
認証機関TÜVなど
DIN規格(ドイツ)
米国
ANSI規格
IEEE(米国電気電子学会)
UL規格
検査機関UL
世界共通
各国特定地域
国内
業界内

ご覧のように、代表的な例として「国際規格」にはISO規格やIEC規格が含まれ、「地域規格」にはEN規格、「国家規格」にはANSI規格や、DIN規格、
「団体規格」はASTM規格、ASME規格があります。
皆さまもよくご存知のJIS規格は、ISO規格やIEC規格との整合を図り、日本国内向けに取りまとめられた規格です。

日本に比べて海外規格の方が総じて厳しい傾向にあり、国内規格と海外規格の大きな違いは、より高い「安全性」と「信頼性」を要求される点です。
もし輸出先の規格に準拠していない場合、さまざまなリスクが生じます。

海外規格で求められる、高い「安全性」と「信頼性」

先に述べた通り、制御盤を海外へ輸出する際には、基本的に海外規格に準拠していなければなりません。
特に、欧州向けの制御盤においては、EU地域で統一された安全規格に適合する必要があります。
またその際には、EU加盟国の共通基準として、すべての製品にCEマーキングを張り付ける必要があるのです。

このように、制御盤が各国の必要安全要求事項に適合するためには、さまざまな規格を満たす高い安全性と信頼性が求められています。
また、これらを実現するためには、海外規格に対応した機器の使用や設計手法が必要不可欠です。

  • 安全性
  • システムの安全性能を示す尺度であるSIL規格をはじめ、各国の規格に準拠する機器やシステムを用いることで、
    機器や回路の安全保護、事故防止を図っています。
    特にEU加盟国での厳しい規制に対応した制御盤は、より高い安全性が求められています。
  • 信頼性
  • ISOを代表とする国際規格や各国の規格に準拠し省設計・省配線化を図ることにより、
    トラブルが起きる確率を低減、同時に検査に係る工数を削減することで、高い信頼性を獲得できます。

輸出先の規格を十分に理解した事業者選定がポイント

規格に準拠していることの証明(=安全であることの証明)には、自己宣言、第三者認証機関の認証、その他があり、
一般的に規格に準拠していない場合、税関での検査をクリアできず、差し戻し、追加書類の提出などが必要になります。
その結果として、想定外の緊急対応が必要になったり、納期に間に合わなくなったり、お客さまに迷惑を掛けたり、余分なコストが発生したりと
さまざまな問題を抱えることになります。
そのため、海外向けの制御盤製作においては、お客様の求める内容をしっかりとヒアリングし、
要求に沿った仕様で制御盤を設計、製作しなければなりません。
海外規格に準拠するためには、輸出先の国の規格を十分に理解していることが求められ、その対応のためには、
海外向け制御盤に長けた事業者の選定が重要なポイントとなります。

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